私が歌うと決めた日
いつのまにか、歌い始めて40年という月日が流れました。
今、娘達の年の頃の自分を思い出します。
私が本気で歌をやろうと決意したのは、高校二年の時でした。
京都市立日吉が丘高校美術科で油絵を専攻していた私は、その日、京都市東山区の日吉神社で写生をしていました。どこからともなく聴こえて来た曲に、筆の動きが止まりました。
「何?誰?何の歌?カッコイイ!!!誰が歌ったはんの?」
私は、ワクワクドキドキ!ソワソワ、舞い上がっていました。
あの曲との出会いが、私の一生を決めたといっても過言ではないでしょう。
日本語で洋楽みたいなポップな曲を聴いた私は、その曲のタイトルと誰が歌っているのか、必死で調べました。最高にカッコいい!声も個性的で好きだ! 私はその日から、そのシンガーを目指す事になりました。今でもあの日が鮮やかに蘇ります。私の魂をかき立ててくれたあの曲。
それは、ユーミンの「ルージュの伝言」でした。
そして、それから私の音楽人生が始まるのでした。
私と同じ「荒井」という名字、私と同じように美術専攻、ピアノ弾き語り、顔も少し似ていました。それだけで、親近感が溢れ、とても大きな存在になて行きました。「ひこうき雲」のアルバムは、私にとってバイブルのような存在になっていました。
私は、いつか本当のユーミンに出逢いたいと願い続けて、40年が経ってしまいました。笑